筋肉豆知識 ~速筋と遅筋の違いと鍛えるメリット~
人の筋肉には骨格筋・平滑筋・心筋の3種類がありますが、このうち自分の意思で動かしたり鍛えたりできるのは、骨格筋のみです。一般に筋肉と呼ばれているものはこれを指します。
この骨格筋を構成している筋繊維は大きく分けて速筋と遅筋の2種類。今回は速筋と遅筋の違いと、それぞれ鍛えることで得られるメリットについてご紹介しますね。
鍛え方によって見た目にも影響するので、スタイルを気にされている方は要チェック!より理想的な体づくりを進めるために、ぜひ参考にしてみませんか?
速筋と遅筋の違いは?
それぞれの特徴をcheck!
速筋は収縮速度が速く瞬間的に大きな力が出せますが、持久力に乏しく疲れやすいといった特徴があります。一方、遅筋は収縮の速度が遅く大きな力は出せませんが、疲れにくく持久力に長けています。速筋と遅筋の違いを知っておくことで、自分の目的に合わせて効率的に体を鍛えることができますよ。
速筋・遅筋の割合が多い筋肉部位
同じ筋肉の中に速筋と遅筋が混在しており、筋肉の部位によってその割合が異なります。
★速筋の割合が多い筋肉…
二の腕にある「上腕三頭筋」で速筋が6~7割を占めます。他に、太ももの前の筋肉である「大腿直筋」や首の前側の筋肉である「胸鎖乳突筋」などが挙げられます。
★遅筋の割合が多い筋肉…
ふくらはぎにある「ヒラメ筋」で遅筋が約8割を占めます。他に、スネにある筋肉「前脛骨筋」や太もも裏にある筋肉「大腿二頭筋」などがあります。
筋繊維の割合は遺伝的な要素が強いため比率を変えることは難しいですが、それぞれの筋肉を肥大もしくは強化することは可能です。どの部位にどちらの筋繊維が多いかを把握し、トレーニング法を工夫するなどして、体づくりに役立てましょう。
鍛え方と鍛えるメリット
速筋
速筋を鍛えるには、瞬発的に大きな力を出すような筋トレや短距離走などの無酸素運動が有効です。
速筋が鍛えられると体が引き締まり、きれいなボディラインを作ることができます。また、筋肉量が増えると基礎代謝が上がるため、痩せやすくなるというメリットもありますよ。
遅筋
遅筋を鍛えるには、少ない負荷でゆっくりと長い時間をかけて行うようなウォーキング・ジョギング・サイクリングなどの有酸素運動が有効です。
遅筋を使った運動は脂肪を燃やしてくれるため、減量(ダイエット)につながりやすいのが大きなメリット。持久力が高まり、疲れにくい体づくりができます。
速筋と遅筋の両方を鍛えるのがベスト!
ボディメイクがしたい、ダイエットや疲れにくい体づくりがしたい等、ご自身の目的にあわせてトレーニングメニューを工夫していくと良いでしょう。中でも、健康維持のためには、速筋と遅筋の両方を鍛えることがおすすめ。
筋肉量は20代をピークに、30代以降は年間0.5~1%ずつ減り続けていきますが、この減っていく筋肉の大部分は速筋です。有酸素運動中に速筋はほぼ使われていないため、加齢による筋肉量の減少を防ぎつつ脂肪を燃焼するには、筋トレと有酸素運動を組み合わせて両方の筋繊維を鍛えることが大切です。
・筋肉は加齢に伴って減っていきますが、何歳になってもトレーニングで増やすことが可能です。健康維持のためには、速筋を鍛える筋トレと遅筋を鍛える有酸素運動の両方を並行して行いましょう。
参考文献
筋肉の種類とその特徴 – 健康長寿ネット
筋肉・赤筋・白筋 – 健康長寿ネット