どうすればいい?『筋肉痛』との付き合い方
「運動不足解消にランニング!」とはりきって走った翌日、足が筋肉痛に…。そんな経験ありませんか?普段使わない筋肉を使ったり、激しい運動をした後に起こりやすい筋肉痛ですが、正しい対処法を実践すれば痛みを予防したり、回復を早めることができます。
安全で効果的に運動を続けていくために、筋肉痛にまつわる疑問を解消していきましょう。
Q:なぜ筋肉痛が起こるの?
A:最近の研究では、運動によって傷ついた筋肉の結合組織を修復するために炎症が起こっているからと言われています。この炎症反応が痛みの元。傷ついた組織は少しずつ修復されていき、この過程を繰り返すことで筋肉は強く太くなっていきます。
Q:筋肉痛の時に運動してもいいの?
A:痛みがあるうちは、きちんと休養をとりましょう。
痛みは、筋肉修復中のサイン。個人差もありますが、傷ついた筋肉が修復するには24~72時間かかるといわれています。無理をすると肉離れなどの怪我の原因にもなりますので、運動は痛みが引いてから再開しましょう。
もしトレーニングなどを続けたい場合は「部位を変えて行うこと」がおすすめ。例えば、スクワットをした翌日は背中の筋トレを行うというように、筋肉痛のある部位は休めるような運動メニューにしましょう。
Q:筋肉痛を防ぐには?
A:下記のポイントを取り入れてみましょう。特に、筋肉が伸びた状態で負荷がかかる動き(走る、階段を上る、重い荷物を持つなど)は、筋肉の組織が傷つきやすいと言われていますので、しっかり対策しておくことがおすすめです。
ウォーミングアップ・クールダウンを行う
筋肉に急に負荷がかからないよう、運動を始める前後にはストレッチや軽いジョギングなどでウォーミングアップ・クールダウンを行いましょう。ウォーミングアップは、筋肉を刺激し全身の血流を良くすることが目的ですので、体が温まるような軽い全身運動(ジョギング・早歩きなど)を約10分は行うとよいでしょう。
こまめな水分補給
汗をかいて体内の水分が減ると、血液がドロドロに。血流が悪くなると、筋肉痛も起こりやすくなります。運動前後、そして運動中にもこまめに水分をとりましょう。
日頃から体を動かすことを心掛ける
筋肉を使わなければ筋線維は細くなり、血流も悪くなります。その結果、ちょっとした運動でも筋肉が損傷しやすい状態に。運動習慣がない方の場合は、まずは日常の中で階段利用を心掛けたり、ストレッチやウォーキングなどから習慣にしていくと筋肉痛が起こりにくい体づくりにつながります。
Q:筋肉痛になってしまったら?
A:筋肉痛になってしまったら、下記のように対処してみましょう。
①温める
体が温まり血流が良くなると、疲労物質が流れて回復に必要な栄養・酸素が運ばれやすくなります。「35~40℃のぬるま湯にゆっくりつかる」「蒸しタオルを当てる」などがおすすめです。
運動直後に強い痛みを感じたり、筋肉が熱を持っている場合は温めるのは禁忌です。氷嚢やスプレーなどで冷やしましょう。目安時間は20分。それ以上冷やすと血流が悪くなる恐れがあるため注意しましょう。
②ほぐす
マッサージやストレッチで筋肉をほぐしましょう。このとき、強くもんだり伸ばしすぎると、痛みが悪化する場合があるため無理のない範囲で行うことが大切です。
③栄養補給する
運動と栄養補給はワンセット。栄養バランスのとれた食事をとる。特に筋肉の修復に必要なたんぱく質、疲労回復や代謝を助けてくれるビタミンC、B群を積極的にとり入れてみましょう。
【栄養素】 | 【代表的な食品】 |
たんぱく質 | 肉類、魚類、卵、大豆製品、乳製品など |
ビタミンB群 | 玄米、肉類(豚肉、レバー) 魚介類(かつお、まぐろ、うなぎ、しじみ、あさり) 豆類、アーモンド、イモ類など |
ビタミンC | 緑黄色野菜、果物など |
④十分な睡眠をとる
疲労回復のためには、質の良い睡眠が必要です。刺激の多いスマートフォンのライトやテレビから離れ、いつもより早めの就寝を心掛けましょう。
掲載時から情報が異なることがありますので、あらかじめご了承ください。
・著 岡田隆/栄養監修者 上村香久子「新しい筋トレと栄養の教科書」株式会社池田書店 2019年
・「ニュートン別冊 筋肉の科学知識 体づくり編 最新版」株式会社ニュートンプレス 2023年
・著 中野ジェームズ修一「中野ジェームズ修一のランニング教科書」株式会社日本文芸社 2022年